【代表取締役 岩井 亮様 プロフィール 】
2002年3月 慶応義塾大学 商学部商学科卒業
2002年4月 株式会社三陽商会 入社
2007年8月 株式会社ワークスアプリケーション 入社
2011年8月 株式会社オムニバス 入社
2022年4月 株式会社アラテをJVとして設立
株式会社オムニバス
代表取締役 岩井 亮 様
Q1:起業の経緯を教えてください。
株式会社オムニバスの設立は2008年8月です。15年前といえば「iPhone」発売をきっかけにSNSが浸透し、インターネットがより身近なものになりつつある時代でした。とはいえ、当時はまだインターネット広告(デジタル広告)は盛んではなく、広告といえばいわゆる「マス広告」と呼ばれる、テレビCMや新聞、雑誌といったマスメディアに出稿する形式が中心でした。
そんな中、弊社の創業者である山本章悟が「近い将来日本国内における広告市場はデジタル広告が主流になる」と考え、デジタル広告を運用する為の「アドテクノロジー」に着目し、当時注目されていた技術をアメリカのシリコンバレーから日本国内に持ち込み、事業を開始いたしました。これがオムニバスのスタートです。
Q2:「アドテクノロジー」とはどのような技術ですか。
昨今「◯◯テック」という言葉がよく使われていますよね。人事業務の効率化を図る「HRテック」、教育支援に関しては「エドテック」、さらに「不動産テック」など……。我々広告業界におけるテクノロジーは総称として「アドテクノロジー」「アドテック」と呼ばれています。
皆さんに馴染みのあるデジタル広告を例に説明すると、ウェブサイトを閲覧した際に、商品やイベント企画、企業PR等を宣伝するために写真やロゴを駆使した画像が目立つように貼られていますよね。それらは「バナー広告」と呼ばれており、デジタル広告が出始めた頃から使われ続け一般化したものです。「アドテクノロジー」が普及していない一昔前、バナー広告を出稿する際は、商品のPRに適したウェブサイト選出→ウェブサイト運営会社1社1社へ連絡→表示サイズや掲載期間の調整→バナー広告制作の為の画像や文章等の素材を提供、もしくは自社でバナー制作→発注 という手順が必要でした。複数のウェブサイトに商品をPRしたければ、この一連の流れを、掲載したいサイトの数だけ何度も行う必要があり、手続きだけで膨大な作業になっていました。こうした面倒な手続きを簡単にした技術が「アドネットワーク」です。この技術を使うことで、一つのシステム内に「バナー広告」の素材をセットするだけで、条件にあった複数のウェブサイト上に一括で広告を出すことができるようになったのです。
一言に「アドテクノロジー」と言っても、現在も次々と新しい技術が生み出されており、例としてあげた「バナー広告」はあくまでもそれらのひとつでしかありません。もちろん弊社もデータを活用したターゲティング広告や自社開発した動画広告のプラットフォーム等、研究を重ね日々アップグレードを行っています。
Q3:株式会社オムニバスの業務内容を詳しく教えてください。
基本的には「アドネットワーク」を使用した事業の運営です。証券取引所で株を売りたい人、買いたい人の両者が参加し、折り合いがつくと株の取引がなされているように、インターネット広告の世界でも競争入札制度が取り入れられており、広告を出したい企業と、広告を受け入れることで収益を上げたい媒体企業、この両者をインターネットで繋ぐのが「アドネットワーク」のシステムです。このシステムをハンドリングすることが我々の仕事で、わかりやすく言えば株式のデイトレーダーの様な事をしています。
具体的には、インターネット上にある広告枠の購入や買い付けをするときに、社員が入札価格を調整する業務を事業の根幹に据えており、我々の中では「トレーディングデスク事業」と呼んでいます。
その他、広告に欠かせないクリエイティブ(広告に使用するための動画や写真、イラスト等、デザインを含めた素材)の制作も、弊社が提携している制作会社と進行しています。
Q4:ちなみに宮崎県内には日南市と延岡市の二ヶ所に支社があるそうですね。
弊社は宮崎県に二ヶ所事務所を構えており、2016年に日南支社を1号店として、5年後の2021年の4月に延岡支社を2号店として開所しました。
宮崎県内1号店となる日南支社を立ち上げた時は、社員への業務内容の指導は東京本社から責任者を派遣して行っておりましたが、現在はそれぞれの支社で採用された人材のみで業務にあたっております。以前は東京本社の社員が支社の管理運営をしておりましたが、現在では日南支社で採用された社員がセンター長となって、日南支社と延岡支社双方の管理運営を行っています。
また、2号店の延岡支社立ち上げに関しての業務指導もセンター長が行い、それ以降延岡支社における業務指導は経験豊富な先輩が、新しい社員のスキルアップを支援しています。
Q5:延岡支社ではどのような業務を行なっていますか。
先ほどご説明しました「トレーディングデスク事業」がメインの業務となります。
広告を出すシステムというのは、Google、Yahoo!といった検索エンジン、Twitter、Instagram、TikTok、LINEなどのSNSプラットフォームから提供されています。そのシステムにログインし、広告主となる企業の広告配信を行うために、期間、予算、ターゲティング、クリエイティブ等の必要項目をシステムにプリセットします。そして広告が配信されると、クリック数や申込件数といった結果の数字を確認しながら調整を行います。このような話を聞いていると難しい業務内容なのではないか、と思われるかもしれませんが、延岡支社も全員未経験からの入社で、徐々に一つひとつの業務を覚えていくことができるよう、研修や教育指導を整えております。
弊社のようなデジタル広告運用業務のプロフェッショナルは世の中の需要に対して少なく、人材としての市場価値もデジタル広告運用経験者であれば当然上がります。地域に関係なく、パソコンひとつで将来性のある技術を身につけることができるので、このインタビューをきっかけに弊社や広告運用に興味を持たれた方は、是非お問い合わせいただければ嬉しいです。
Q6:地方進出に至った経緯を教えてください。
転職市場における広告運用経験者は貴重な存在である為、採用においてはどうしても数少ない経験者の取り合いになるケースが多いです。東京本社でも長らく経験者の募集を続けていましたが、そのような状況を踏まえ、経験を問わず優秀な方を採用し入社後に育てる方針も視野に入れるようになりました。
また、パソコンさえあれば遠隔でもコミュニケーションを取り合いながら成立する業務である事から、優秀な人材を採用するにあたり、必ずしも都心部にこだわる必要は無いのではという考えに至り、いくつかの候補地を選定する中で日南市の市長と意気投合し、進出を決めました。
その後、日南支社が軌道に乗り社員も増え、日南市から評価をいただき、さらに宮崎県からも企業の受け入れ成功事例として扱っていただきました。その事がきっかけとなり延岡市からもお声がけをいただき、タイミング的にも弊社にとってありがたいお話だったので支社設立を即決しました。
Q7:地方進出で大変だったことはありますか。
東京での激しい人材獲得競争から脱却する目的で地方進出に至ったわけですが、やはりどちらにも良い点と悪い点があり、都心に近ければ近いほど競争が激しい反面、経験者が多いというメリットがあります。一方、地方都市は未経験者が多いため育成の部分が大変でしたが、未経験であっても真剣に仕事と向き合う姿勢が素晴らしく、吸収も早いという印象を受けました。
Q8:延岡支社の社員数や延岡の良い点を教えてください。
現在の社員数は13名です。弊社としては、延岡市との連携により、市の雇用創出の一端を担いたいという考えで事業を行っておりますので、採用ベースは基本的に地元のみとしており、東京から人材を送り込むということはしておりません。
延岡の良い点といえば、これは延岡支社だけでなく日南支社も合わせどちらにも言える事なのですが、宮崎の社員はみんな「真面目、素直、純粋、優しい」という印象です。
また職場の雰囲気もよく、困った事が発生したらお互いに助け合おうという協力体制もありチームワークが抜群です。
嬉しい事に「この職場で働けて良かった」と言ってくれる社員が多いです。ただそれはオムニバスという会社がいいのではなく、社員一人ひとりの根底にある人間性の良さが素晴らしい職場環境を生み出しているからだと思います。私もたまに宮崎の会社に顔を出しますが、とにかく社員がすごく親切にアテンドしてくれるのでいつも感謝しています。
Q9:延岡市での採用状況や職場の特徴について教えてください。
おかげさまで延岡エリアでの採用は今のところ順調です。募集に関しても行政の方にご支援いただきハローワークを利用したり、またはインディード広告を使ったり、さらに弊社のセンター長が地元の学校をまわり、説明会に登壇するなどして会社の認知を広めています。
業界的な平均年齢も若く、弊社の平均年齢も29歳と若手社員が活躍しています。勤務時間もコアタイム有のフレックス制度を適用しているので、始業終業時間はある程度自己裁量でコントロールすることが可能です。会社勤めをしていても自分のペースで時間が作りやすいため働きやすい職場だと思います。ライフプランに合わせて働くことができるよう、産休や育休制度、時短勤務制度も整えており、活用している社員も多いです。
また、会社全体として部活制度があり、一定の人数が集まると会社から部として承認され、部活動の運営支援が受けられます。延岡、日南にもそれぞれ部があり、休日のスポーツなどを楽しんでいます。
Q10:最後に今後の展望と延岡市への要望があればお願いします。
AIをはじめ様々なテクノロジーが日進月歩で進化し続ける中、あらゆる分野において人間が介在する余地が狭まっていますが、広告運用業務においてもそうした流れは同じように進んでいます。だからこそ、機械では行き届かないきめ細やかな対応を提供する為に、オムニバスの社員だからできることを常に考えなければなりませんし、そこには各々が持つ人間力というものが大きく関わることになると思います。
もちろん事業のベースとなる広告運用オペレーションという業務は残り続けますが、今後はますます、弊社ならではのプラスアルファのバリューを打ち出すべく、型にはまらないコミュニケーションを世に届けることを目指していきたいと思います。
延岡市への要望としては、延岡で進化し続けるオムニバスの認知拡大をサポートいただけると幸いです。
【株式会社オムニバス】
■設立:2008年8月5日
■本社:東京都港区西新橋1-1-1 日比谷フォートタワー9F
■延岡支社:宮崎県延岡市幸町2丁目125 ココレッタ延岡302-B号
■代表取締役 岩井 亮(慶応義塾大学 商学部商学科卒業)
■URL:http://e-omnibus.co.jp