立地企業インタビュー【株式会社山内システム】

株式会社山内システム
代表取締役社長 山内 浩二 様
(延岡市出身)

【代表取締役社長 山内浩二 様 プロフィール】

 

延岡市北方町出身

昭和59年    宮崎県立延岡工業高校 電気科卒業

昭和59年4月 愛知県の会社に就職

昭和61年2月 延岡の電気関連企業に就職

平成2年11月 山内システム設計を創業

平成7年   有限会社山内システム設立

平成11年   株式会社山内システムに改組

現在に至る

 

Q1:延岡市内で起業した理由を教えてください。

1990年の創業当時、24歳だった私は、様々な生産工場で使用される産業機器を制御する特殊なコンピューターを動かすPLC(プログラマブルロジックコントローラ)のソフトウェアを作成する業務を数名で行なっていました。PLCという名称に馴染みのない方でも、シーケンサと言えば、そちらの方面に詳しくなくとも、コンピュータープログラムに関する何かだろうくらいはわかるのではないでしょうか。

私がソフトウエアの道に入ったきっかけは、高校(延岡工業高校電気科)のシーケンスの授業でかなり専門的な授業だったのですが、すんなりと理解出来たことから、シーケンス制御設計の仕事をしてみたいと思いました。

卒業と同時に県外の企業に就職し経験を積み、延岡に帰郷し電気工事の会社に入社しました。たまたまですが、その会社が電気設計だけでなく、工場のオートメーション化の仕事も受注していたので、シーケンス関係が得意だった自分がその作業をしていました。

その後独立開業し徐々にスタッフが増え、創業から5年後の1995年に延岡市で法人化に至りました。もともと延岡市は大きな工業都市なので、ロボットシステムやメカトロシステム等など、コンピューターを使った生産ライン自動化の仕事もたくさんありましたから、延岡が私の仕事の拠点となったのは自然な流れだったと思います。

Q2:山内システム全体の業務内容を教えてください。

創業から33年となる現在、弊社では全国各地の様々な工場関係企業から依頼を受け、大まかには工場のオートメーション化に伴う産業用制御装置、生産設備、産業用ロボット等の装置を仕様設計段階からサポートし、ラダーというシーケンス制御専用のソフトの作成から立上げまでを行っています。世の中のIT化が進む中、ともすればコンピューターに使われているようなワークスタイルになってしまいがちですが、弊社ではシステムという考え方で仕事全体をデザインし、設計や開発をしていく事で、トータルとしての人間性向上と結果としての省力化を目指しています。

さらにインターネットを活かしたIOTをはじめ、生産管理システム(生産計画、状況モニタ、実績処理等)、トレーサビリティ、計測データ収集、トレンドグラフ表示といったICT等、これまで視覚的にわかりやすく見ることができなかった工場内を「見える化」し効率よく管理する為のDX化のお手伝いなども行なっています。 

Q3:北方事業所での業務内容は?

北方事業所を設立したのは2020年4月で、北方町における「スマート農業実証事業」と「日本エマソン株式会社」のプロセス制御の開発や販売代理店として北方事業所を活用しています。

まずスマート農業ですが、地元延岡の農畜産業の作業効率を良くする為に、弊社が工場のオートメーション化やDX化で培ってきた技術を活かし、延岡市と北方町の「農業組合法人うつぎファーム」さんと弊社との共同で、スマート農業制御システムを開発しています。どのようなシステムかと言いますと、ファームの各所にセンサーを設置し、温・湿度、日射量、CO2、土壌水分等の地上部と地下部の環境データを収集し、その環境データをもとにした制御システムで、ハウス内の自動散水や天井窓・側面の自動散水、送風ファンの自動起動などを行い、さらにインターネットを利用し、そうした様々なデータをパソコンやスマートフォンで遠隔監視、遠隔操作ができるようにしています。

そして「日本エマソン株式会社」のプロセス制御の開発及び販売代理店業務に関しては、「日本エマソン株式会社」が開発している大規模プラントのコンピューター制御ソフトウェアの制作と、そうしたプラントで使用されるフィールド機器(流量計、温度センサー等のセンサー類、流量制御弁、開閉弁等のバルブ類、ポンプ、ファン等)の販売から、各工場のプラントに合わせ必要なフィールド機器を組み合わせたシステム設計等も行なっています。

Q4:会社全体と延岡事業所で勤務されている従業員数を教えてください。

従業員は会社全体で46名で、その内の9名が北方事業所に勤務しています。弊社はソフトウェアの制作という職種なので、エリアに関係なくできる仕事ですから、地元延岡の方ばかりでなく割合的に、県外でソフトウェア関連の会社で働いていた方がUIJターンで入社されているケースが多いです。面白い事に、県外でご結婚されたご夫婦の奥さんが延岡出身で、旦那さんが奥さんについて延岡に来たというケースが多いんですよね。その流れでドイツ出身の方もいたりします。あとは県内の日向市や都城市から来られている方もいるので、比較的、地元意外の方々でも働きやすい環境があるのかもしれませんね。

 

Q5:本社が延岡市の中心部ですが、そこから北方町へ進出したのは何故ですか?

もともと私は北方町の出身でして、自分の母校である北方小学校が廃校となり、校舎を延岡市が民間企業に貸し出すという公募を開始した時、自分を育ててくれた町に何か貢献ができないか?と考え応募した事がきっかけになります。まさに公募が出た瞬間に直感的に「ここだ!」と思いました。もちろんスマート農業との関連性もあります。スマート農業を事業として行うにあたっては、もう10年以上前から門川町さんにご協力いただきシステムの検証を始めたりしていましたので、どこかスマート農業事業を根付かせるのに相応しい場所はないかと、常々アンテナを張り巡らせていたので、北方小学校の件にもすぐに反応ができたのだと思います。

そうした技術を活かすのであれば、やはり知らない地域よりも、地元に貢献できるという気持ちが強く持てる場所の方が、事業に対する熱の入れ具合も違いますし、丁度本社の事業拡大に伴う従業員の増加が重なり、今後を見据えて近いうちに社屋を拡張しなければとも考えていたので、本当にベストなタイミングだったと思っています。

Q6:廃校利用の場合、建物の老朽化や管理の問題はありませんでしたか?

そうですね。土地や建物など様々な書類申請等については市役所の担当者が親身になって動いてくださったのでスムーズでしたが、やはり廃校利用という事で、建物が古いですし実際に社屋として使えるようにするために、電気設備をはじめ内外装のどちらも老朽化部分の復旧にそれなりの時間はかかりましたね。ただそうした部分に関しては、延岡市の迅速かつ臨機応変に対応してくださったので大変助かりました。

また、隣が教育委員会の施設なので、例えば台風等の災害時や困った事が起きたら、お隣様同士お互いに協力し合ったりもできるので、その点も非常に助かっています。

Q7:北方町での業務において良かった事、逆に苦労されたことは?

周辺を含めとにかく土地が広いので、駐車場などにも困ら無いですし、何より集中力を保てるのが有難いですね。弊社のようにパソコンにかじり付いての作業は、肉体重労働ではありませんが精神的疲労が大きく別な意味で疲れるんです。特に脳みそが疲れてくると、単純なミス等も多くなるので集中力を保つ為に意識的にリフレッシュしなければなりません。そんな時に自然に囲まれたこの場所はうってつけなんです。スタッフの中には、リフレッシュ散歩をしたり、屋外のデッキでお弁当を食べたりお茶を飲んだり、それぞれのスタイルで休憩を楽しんでいるようです。

苦労といえば……。まあ強いてあげれば、昼食時等、近隣にふらっと入れるような飲食店が無いということくらいですかね。北方事業所勤務のスタッフはお弁当を持ってきたりしていますが、近くにお弁当を配達してくれる業者さんがあるのでそれを利用することもあります。

それより、一番苦労したのはコロナ禍の影響で何もかもが遅れた事です。事業所を開設したと同時に大きなコロナ禍の波が押し寄せ、設備工事から備品の配達、移動制限等などどうにもならない事ばかりで、当初の計画と比較してなんだかんだで1年近く遅れたと思います。

スタッフの頑張りもあり、現在はそうした遅れも取り戻せたと実感しているところであります。

Q8:北方事業所スタッフの方々はどのように活躍をしていますか?

この場所を活かしていろんな企画を考えて実行してくれています。例えばスマート農業においても、単にシステムを構築するだけでなく、農家さんに全国的に注目されるような話題性の高い野菜の栽培を提案したりなどもしています。昨年は、「食べる輸血」「奇跡の野菜」などと称されるスーパーフード野菜「ビーツ」を提案し、その試食会を北方事業所で行い好評をいただきました。

また、通常はまちなかにある施設を借りて行う事が多い「日本エマソン株式会社』の展示会を、あえて北方事業所で開催し、昼食時は屋外デッキや芝生広場でお客様にはのんびりしていただくといった企画も計画から準備まで北方スタッフが行ったりと、これまでの弊社になかったアイデアをどんどん出してくれて、それを実現してくれているのが頼もしい限りです。それもこれも、やはり北方町という地に事業所を設けた事がきっかけだったと思います。

Q9:延岡での採用はスムーズに行われていますか?

ハローワークやふるさと宮崎人材バンクに求人を掲載したりSNSを活用したりもしています。しかし、IT業、ディスクワークなど、その響きから近年人気があるように思われているかもしれませんが、採用に関しては正直やや苦戦しています。やはり弊社の業務はIT業の中でも、基本的なプログラムに関する知識がなけれならないだけでなく、工場などの作業現場や材料の特性なども知る必要がある等、新卒・中途に関係なく、そうした特殊性の高さから「誰でもできる!」とは真逆の難しいイメージがつきまとうのだと思います。

例えば、採用に関して海外に目を向けようと考え、延岡市にご協力いただきコンタクトを取ったりもするのですが、海外の方も同様で、生産業であれば業務内容がわかりやすいためPRもスムーズにできるのでしょうが、まず入り口部分である弊社の業務を理解していただく事そのものが難しいので困っています。

できれば、都会で同じようなプログラムの仕事をしていて、仕事や生活に疲れてしまってるけれど職種を変えずにリフレッシュしたい……。そんな方がいれば、北方事業所がピッタリなんですけどね。ただそれを事業所のPRとして、こちらからうまく表現して発信するのは中々難しいです。今回のインタビューのような場があれば、このように言葉で語れるのですが……。

Q10:最後に延岡市に期待することなどあればお願いします。

UIJターンを考えている方々の背中をもっともっと押すべく、全国に向けて延岡市の魅力を発信していただくのと、UIJターン者への支援金の継続化や、地元企業との就職マッチングイベント等を企画していただきたいですね。定番化している就職説明会もありますが、もう少し違ったスタイルの企画があると嬉しいです。

【株式会社山内システム】

■設立:1995年7月7日

■本社:宮崎県延岡市出北2丁目28番18号

■北方事業所:宮崎県延岡市北方町川水流卯965番6

■代表取締役社長 山内浩二(延岡市出身)

■URL:https://www.yamauchi-system.co.jp/